2003年2月11日
隣のベッドで豚が寝ている。  

   
哀れな下半身を露わにし、
気味の悪いいびきを響かせ、
ポマードの悪臭を部屋に充満させるから、
私は吐き気を覚えた。
  
豚は、小娘な私をお金で色んな処へ連れ出すだけのある程度の地位も財産を持っている。
実は私とマイフェア・レディーごっこをしたかったらしい。

しかし、豚の器量で私をかえられるはずもなかった。
豚の一見利口そうな発言のほとんどはその実、愚言であった。


はじめはとても魅力的だった高級ホテルや高級レストランは、何度も行くうちに全く興味がなくなってしまった。
要は、私が価値を置いているのは、共にある「人」なのだ。
誰かに愛されたいと願って止まなかった私だが、豚に愛されるはずもなく、また愛されたくもない。
豚との愚行を重ねるたびに生まれたのは、安心でも充足でもなく疑心だった。

私の睡眠をぶち壊す憎き豚のいびきを聞きながら、高級ホテルのバスタブで一晩寝ずに考えた結論は豚との決別だった。
それはもうじき26歳になる自分の清算になるはずだ。

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